「食べた分だけ太る人、食べても全然太らない人」

っていますよね。

 

この違いって何なんだろう?と思った事ははないですか?

 

ここでは、ある腸内細菌と、それから作られる短鎖脂肪酸という物質によって、太りやすい人と太りにくい人の違いを解説しています。

よかったら参考にしてみて下さいね。

 

食べて太りやすい人、食べても太らない人の違い腸内細菌にあり!

食べて太らない人、食べたらすぐに太ってしまう人の違いとしては、「腸での栄養量の吸収率が違う」、「基礎代謝が違う」、「遺伝の違い」なんていう話がよくされがちですが、

 

この違いは、実は腸内細菌が作り出す「短鎖脂肪酸」と呼ばれる物質が大きく関係しているんですよ。

 

科学雑誌のサイエンスでもその事が公表されています。
参考URL⇒http://science.sciencemag.org/content/341/6150/1241214
(マウスを使った実験では、痩せている人の便と太っている人の便をマウスに移植して、同じ食べ物を同じ量与えたところ、太っている人の便を移植された方のマウスは太り、痩せている人の便を移植された方のマウスは太りませんでした。)

肥満を防いでくれる短鎖脂肪酸を作り出す腸内細菌「バクテロイデス」


先ほどの科学雑誌サイエンスに投稿された内容を簡単にいえば、

 

肥満を促す細菌がいるわけではなくて、肥満を防いでくれる細菌がいなんだそうです。

 

太っている人の腸内細菌には、主にバクテロイデスと呼ばれるグループに属する数種類の菌の数が極端に少ない事が判明しています。

 

そして、これらの菌を外部から与えると「肥満体質」が改善することが確認されています。

 

このバクテロイデスと呼ばれるグループに属する菌はもともと肥満から守る働きをしていますが、この菌が少なくなると太りやすくなる、というわけです。

 

もっと言えば、バクテロイデスが作り出す短鎖脂肪酸が肥満を予防していて、この短鎖脂肪酸が少なくなると太りやすい体質になってしまうんですね。

天然のやせ薬とも呼ばれる短鎖脂肪酸


肥満は脂肪細胞と呼ばれる細胞が脂肪の粒を蓄え、肥大化することで起きます。

 

何かあった時のためにエネルギーを蓄えておくのが脂肪細胞の役割ですが、脂肪細胞をそのまま放っておくと、血液中の栄養分を際限なしにどんどん取り込んでいき、歯止めがかからなくなってしまいます。

 

そして、その脂肪細胞の働きに歯止めをかけるのが短鎖脂肪酸と呼ばれるものなんです。

 

人は食事をすると、その食べ物は胃を通り、腸へと入っていきます。

 

そして、こうした食べ物を先ほどのバクテロイデスなどの腸内細菌が分解することで短鎖脂肪酸が作られます。

 

短鎖脂肪酸は、他の栄養分と一緒に腸から吸収され、血液中に入って全身へ運ばれ、やがて脂肪細胞にたどり着きます。

 

脂肪細胞には、短鎖脂肪酸を関知するセンサーがついているんですが、そのセンサーが短鎖脂肪酸を感知すると、脂肪細胞は栄養分の取り込みを中断する仕組みになっているんですね。

 

つまり、短鎖脂肪酸は脂肪が不必要に蓄積されることを防止してくれるわけです。

 

さらに、短鎖脂肪酸の役割はそれだけではありません。

 

交感神経にも短鎖脂肪酸を関知するセンサーがあるんですが、交感神経が短鎖脂肪酸を関知すると、体全体の代謝が活性化する事が分かっています。

 

心拍数の増加や体温の上昇などが起こり、余った栄養分を燃焼させて、消費していってくれるんです。

 

つまり、短鎖脂肪酸は、脂肪の蓄積を抑制し、さらには脂肪の消費自体も増やす、という両面から肥満を予防する働きがあると言えるんですね。

短鎖脂肪酸の正体


では、短鎖脂肪酸とはいったい何ものなのでしょうか?

 

短鎖脂肪酸は、酢酸、酪酸、プロピオン酸と呼ばれる3つの物質の総称です。

 

全てに共通する作用もあれば、一つひとつの固有の作用もあります。

 

このうち、脂肪の蓄積を抑制してくれる効果が確認されているのは、酢酸、つまり「お酢」なんですね。

 

だったら、「お酢」そのものを飲めば良いのでは?

と思う人もいると思います。

 

ですが、「お酢」そのものを飲むよりも、腸内細菌であるバクテロイデスによって作られる酢酸の方が効率的だと言えるんです。

 

理由は、酢酸(お酢)は、血液中に入ったあと、すぐに分解されるので、お酢を飲んだとしても、効果は一時的になってしまいます。

 

これが腸内細菌であるバクテロイデスによって作られる場合は、食べ物を食べれば、ずっと短鎖脂肪酸が作られていきます。

 

結果、血液中の短鎖脂肪酸の濃度が維持され、効果が長続きすることになるんですね。

 

因みに、お酢を四六時中飲み続けると、お酢は酸性のため酸蝕歯といって、歯がボロボロになってしまうリスクがあります。
(料理に使われる場合、健康のために飲む程度であれば、唾液がすぐに中和してくれるので、特に問題はありません。)

 

腸内細菌であるバクテロイデスが、腸内で酢酸を作ってくれる場合には、そうした歯に対しての心配もありません。

短鎖脂肪酸を作り出すバクテロイデスを作るためには食物繊維


では、バクテロイデスなどの短鎖脂肪酸を作り出してくれる腸内細菌はどうすれば増やすことができるのでしょうか?

 

答えは、バクテロイデスなどの腸内細菌が欲しがるエサを与えることです。

 

そして、そのエサというのは、食物繊維。

 

食物繊維のほとんどは人間には消化できませんが、短鎖脂肪酸を作る腸内細菌は食物繊維を食べ、短鎖脂肪酸を作る原料にもしています。

 

栄養が偏った食生活が続き、食物繊維が不足すると、食物繊維をエサにしている腸内細菌たちが減り、結果として短鎖脂肪酸も減ってしまいます。

 

食物繊維というと、一般的には野菜などに多く含まれていて、便秘の解消の効果があることで知られていますが、痩せ体質を作ってくれる短鎖脂肪酸を作っていくためにも重要な存在なんですね。

どれぐらいの期間で短鎖脂肪酸は増える?


では、食物繊維をいつもより多く摂った場合、どれぐらいの期間で短鎖脂肪酸が増えるのでしょうか?

 

食生活が腸内細菌に与える影響については数多くの実験が行われていますが、短鎖脂肪酸を増やすためには、数週間の時間が必要になるようです。

 

まずは数週間、野菜をいつもよりも多めに食べるようにすれば、そのうち痩せ体質を手に入れる事ができるかも知れないですね。

短鎖脂肪酸のまとめ

短鎖脂肪酸は一言でいえば、太りにくい体質を作ってくれる物質です。

そして、食物繊維をしっかりと取り入れることで、その体質を作ることができます。

 

ついつい食べて過ぎてしまって、太ってしまう人はこれから食物繊維をしっかりと摂ることができる食事内容にしてみてはいかがでしょうか?

 

数週間という時間は必要になりますが、すぐに太ってしまう体質からは脱却ができるようになりますよ。