
鮭に含まれる栄養素にはEPAやDHA豊富
鮭は身が赤いために赤身魚と勘違いされやすいですが、実は白身魚です。
身が赤い理由は、アスタキサンチンというカロチノイド色素のためなんですね。
このカロチノイドという色素はカロテンと呼ばれる色素の一種ではありますが、ビタミンAとしての効果はありません。
ただし、活性酸素に対する抗酸化作用があります。
鮭は、脂質が100g中4.1gと白身魚にしては多めです。
この脂質にはEPAやDHAが豊富に含まれています。
EPAとDHAは血栓を予防して、血管を拡張する効果があります。
また、血液中の中性脂肪・悪玉のコレステロールの低下させる作用があり、さらに善玉コレステロールを増やす作用もあります。
これは動脈硬化や心筋梗塞、高血圧、脳卒中といった生活習慣病の防止に役立つことを意味します。
また、がんの発生率を低下させ、がん細胞の転移を抑制したり、抗がん剤の副作用を軽くするなどの作用もあると言われています。
鮭はビタミンDやB群の栄養素もたっぷり
ビタミンDはカルシウムの吸収を高めて、老化を防ぐなどの作用があり、骨粗鬆症の予防や幼児、高齢者、妊婦、授乳婦の方にはおすすめの栄養素です。
ビタミンB1は、ごはんやパン、砂糖などの糖分の分解を促進し、脳の中枢神経や他紙の末梢神経の機能を正常に保つ作用があるとされています。
不足してしまうと、すぐに疲れてしまったり、手足にしびれがでてむくみ、動悸、食欲不振等の症状がでる場合があります。
ビタミンB2については、エネルギーの代謝を促進し、健康な髪や肌を作ってくれます。
不足すると、口内炎、肌荒れ、髪のトラブルを招くことがある他、生活習慣病につながることもあります。
ビタミンB6は免疫力を正常に保つことに欠かせない栄養素で、神経伝達物質の合成、脂質の代謝などの作用があり、ヘモグロビンの合成にも深くかかわっています。
不足するとアレルギー症状が出やすくなることがあり、皮膚炎、脂性肌、貧血、脂肪肝になる原因になります。
ビタミン12は、葉酸と協力することによって赤血球の産生を助け、神経細胞のなかのたんぱく質や脂質、核酸の合成をサポートします。
不足すると記憶力の低下や集中力の低下、貧血、食欲不振、消化不良、下痢などの症状がでてくる事があります。
鮭は胃腸を温め、消化吸収力を高める
江戸時代にかかれた書物である食養書「日用食鑑」には、中を温め気壮んす、と記述されていますが、この意味は、お腹を温めて気のめぐりをよくし、元気にさせる効果があるという事です。
要するに鮭には、胃腸を温め、消化器系を丈夫にすることがこの当時から分かっていたみたいですね。
鮭を食べる時の注意点
アレルギー体質である人が鮭を食べると、湿疹などのアレルギー症状がでる場合があります。
鮭の身にはアニサキスと呼ばれる寄生虫がついている場合、嘔吐、腹痛をでる場合もあります。
このアニサキスと呼ばれる寄生虫は、塩水につける、マイナス20度以下で冷凍、加熱すると死滅すると言われています。
また、高血圧の人は塩鮭は食べ過ぎないようにしましょう。